はじめて鎧兜を選ばれる方へ ―― よくあるご相談について
初節句を前に、鎧兜について調べ始めると、
「何を基準に選べばよいのか分からない」
というお声をよく耳にいたします。
私どもの工房にも、この時期はさまざまなご相談が寄せられます。
本日は、その中でも特に多いご質問について、少しお話しさせていただきます。
■ 大きさはどのくらいがよいのでしょうか
かつては床の間や広い和室に飾ることを前提とした大きな鎧兜が主流でしたが、現在では住環境に合わせて、無理なく飾れる大きさを選ばれる方が多くなっています。
大切なのは大きさそのものではなく、
「毎年きちんと飾っていただけるかどうか」です。
無理なく飾れること、そして長く続けられること。
その積み重ねが、お子さまにとっての記憶となっていきます。
■ 価格の違いはどこにあるのでしょうか
鎧兜の価格は、見た目だけでは分かりにくいものです。
実際には、小札の作り、威の仕立て、金具の加工、素材の質など、目に見えにくい部分の積み重ねによって差が生まれます。
特に、長く飾ることを前提とした場合、
細部のつくりの差は年月とともに表れてまいります。
一見して分かりにくい部分だからこそ、
どのように作られているのかを知っていただくことは、とても大切なことだと考えております。
京甲冑 平安住一水 五月人形のできるまで(youtubeに遷移します)
■ 誰が買うものなのでしょうか
ご両親でご用意される場合もあれば、祖父母様から贈られることもあり、ご家庭によってさまざまです。
いずれの場合でも大切なのは、
「どのような思いでその鎧兜を迎えるか」という点にあります。
贈る方の願いと、受け取るご家族の思いが、
自然なかたちで重なったとき、その鎧兜はより意味のあるものになるのではないでしょうか。
■ どこで選べばよいのでしょうか
端午の節句前には、主要百貨店や有名専門店様で作品をご覧いただくことができます。
実際に目で見て、雰囲気や質感を確かめながら選ばれることをおすすめいたします。
そのうえで、もし制作の背景や技術的な部分についてご関心をお持ちになられた場合には、工房にてお話しさせていただくことも可能です。
完成品だけでなく、その背後にある工程や素材、考え方に触れていただくことで、より納得のいくご判断につながることもございます。
■ 最後に
鎧兜は、一度お求めいただくと、長くご家族のもとにあり続けるものです。
だからこそ、急いで決める必要はございません。
少しずつ知り、見て、感じていただきながら、
「これなら」と思える一領に出会っていただければと思います。
その過程の中で、私どもがお役に立てることがございましたら、
どうぞお気軽にお声がけください。
