四代一水の想い

ご子息の健やかなご成長を祈り、
親御さまやご子息を大切になさる方々すべての想いをつないでゆく。

そのために引き継がれてきた一水の甲冑づくりに対する考え方は 「素材にこだわり、手づくりにこだわる」ことです。
私は常に、細部まで丁寧に手づくりをすることで、質の高い工芸品を生み出すことを目指しています。
節句飾の役割は、毎年お飾りをしていただき、節目を祝い、そのたびにたくさんの想い出や強い絆をつくっていただくことだと考えるからです。
そのためには幾度の鑑賞にも耐えうる優れた工芸品でなければならない、と思っています。
また、吟味されたよい素材で作られた工芸品は時とともに深い味わいを醸します。
一水の鎧兜はご子息のご成長とともに年を重ね、長い年月を経てやがてどこにもない唯一無二のお飾りとなっていきます。

さらに、私の仕事は、ある意味ではお渡しするときが始まりと考えています
立派にご成長なさったご子息がそのお飾りを手に取り、改めて親御様やご自分を大切にしてくれた方々の想いを感じていただけたときに私の仕事もようやく一段落し、お飾りも役目を 全うするのだと思っています。
私で四代となる一水の甲冑づくりには、長い年月をかけて熟成された技や感性が引き継がれています。
それらを余すところなく発揮し組み上げることによって、すべての素材が調和し、それぞれの美しさが最大限に生かされます。

初節句は新しい鎧兜で華やかに
立派にご成長されたときには他所にはない唯一無二の錺(かざり)甲冑として
お子様の健やかなご成長に寄り添っていくことができれば節句工芸に携わるものとしてこれ以上の喜びはございません。