端午の節句 豆知識
端午の節句(たんごのせっく)は、毎年5月5日に行われる伝統行事で、特に男の子の健やかな成長を祈る日として知られています。
元々は月の【端】(始め)の【午】(うま)の日という意味で、現在の様に五月五日のみのものではありませんでした。 【五】(ご)と【午】(ご)の音が同じ事から、五月五日へと変わっていったとも伝えられています。
このブログ記事では端午の節句にちなんだお話をいくつか書いてみました。
1.こいのぼりの由来
端午の節句といえば、こいのぼりもシンボル的な存在ですね。中国の伝説では、鯉が激しい流れの川を遡り、龍門という滝を登り切ると龍になるという言い伝えがあります。このことから、鯉は困難を乗り越え、成長し、成功を手に入れる象徴とされ、日本でも男の子が強く立派に成長するよう願って、こいのぼりが掲げられるようになったのです。
2. 菖蒲(しょうぶ)と武士
端午の節句で使われる菖蒲(しょうぶ)にも由来があります。菖蒲の葉は尖っていて、刀のような形をしているため、古代の日本では「魔除け」として使われていました。また、「菖蒲」という言葉は「勝負」や「尚武」(武道・武勇を重んじること)とも音が同じで、武士たちは、端午の節句に勝負運や戦いの強さを願って菖蒲を身近に置いていたと言われています。これが、男の子の成長や健康と結びつけられたのです。
3. 柏餅とちまき
端午の節句に食べられる柏餅(かしわもち)やちまきには、それぞれ意味があります。柏餅は柏の葉で包まれているのが特徴で、柏の木は新しい芽が出るまで古い葉が落ちないため、家系が途絶えないという意味が込められています。一方、ちまきはもともと中国の風習で、日本に伝わったのは奈良時代だといわれています。日本では子供や家族の健康や安全を願う食べ物として端午の節句にちまきを食べる風習がありますが、古代中国でちまきを5月5日の端午の節句に食べていたという風習がそのまま伝来したことが由来となっています。
4. 「鎧兜」と「勇気」
端午の節句では、男の子の健やかな成長を願って鎧(よろい)や兜(かぶと)を飾ります。これは、鎧や兜が武士たちの身を守る役割を果たしていたことから、男の子を守る象徴として飾るようになりました。さらに鎧兜は単に装飾品としての意味だけでなく、男の子が困難に直面しても勇気を持って立ち向かう強い心の象徴でもあります。なので鎧兜を飾る際には、親が「大きくなっても困難に負けない強い心を持ってほしい」という思いを込めることが多いです。
端午の節句は、ご子息の健やかなご成長を祝うだけでなく、家族全員で楽しむ行事としても大切にされています。