縅糸(おどしいと)の基本動作

 

縅糸は組み紐で、表裏があります。

 

表: こよりの付け根が外側に丸まっている面が表です。↓

 

 

 

 

裏: こよりの付け根が内側に丸まっている面が裏です。↓

 

 

縅糸を小札(こざね)の縅穴に通します。

一例として矢印の方向に通してみます。画像は小札の表面です。

まずは最初の穴に糸を通します。↓

 

 

糸が通ったら穴の出口部分の糸を指の腹で抑えて広げます。

糸が丸まった状態のままだと穴をすり抜けてしまうので大切な動作です。↓

 

 

次の穴の方向にまっすぐになるように糸をひねります。

(糸の表が上面になるように)↓

 

 

次の穴に糸を通します。

仕上がりイメージの8~9割ぐらいまで糸を引きます。↓

 

 

表面の糸を指で押さえながら、裏から余った糸を引っ張ります。↓

 

 

引きが強すぎたり、弱すぎたりしないように、力加減に注意して作業すると綺麗な縅に仕上がります。↓

 
 

 

錺小鎧®(かざりこよろい)の縅

菱縫い(ひしぬい)

縅の順番

 

 (ア)

①の穴に裏から糸を通します。

(画像は裏面)↓

 

(イ)

 糸を引いて、3cmほど残したらボンドを塗り、ヘラなどで伸ばします。

(画像は裏面)↓

 

 

 (ウ)

ボンドを塗った部分を少し残して糸を切ります。

(画像は裏面)↓

 

 

 (エ)

余った糸を引いて、ボンドの付いた部分を小札に貼ります。

(画像は裏面)↓

 

 (オ)

①から❷の穴に通します。

(画像は表面)↓

 

 

 (カ)

❻まで通した状態です。

(画像は表面)↓

 

 

 (キ)

折り返して⑦から❿まで糸が重なるように通します。

(画像は裏面)↓

 

 (ク)

⑪の穴に糸を通します。この時、爪楊枝を当てて糸をひっぱり、糸と糸の間に少し隙間ができるようにしてください。

(画像は裏面)↓

 

 

 

 (ケ)

爪楊枝を残したまま、⓬の穴に糸を通して、裏から出た糸を爪楊枝の隙間に通します。

(画像は裏面)↓

 

 

 (コ)

爪楊枝を抜き、糸を引っ張って根本部分にボンドを少量つけます。↓

 

 (サ)

糸を引っ張りながら、余った部分を切ります。↓

 

 

 (シ)

菱縫いの完成です。もう1枚の小札も同じように菱縫いしてください。

(画像は表面)↓

 (画像は裏面)↓

 

 

上段、下段に菱縫いができたらいよいよ経糸の縅です。

 

経糸の縅(たていとのおどし)

 

縅の順番

 

 (ス)

まずは上段、下段を重ねて寸法を確認します。(中心に穴が開いているものが下段です)

下段の点線部が上段と重なるくらいの仕上がりが目安です。

(画像は表面)↓

 

 (セ)

❶の穴に糸を通します。糸の端は菱縫いと同じようにボンドをつけて小札に貼り付けます。

(画像は表面)↓

 

 (ソ)

❷に糸を通したところで寸法(糸の長さ)を調整します。

(画像は表面)↓

 

 (タ)

❷から➂に通している所です。

通した糸を半分に折りこみます。糸を指でつまむみ、上部分を内側に折ります。

(画像は裏面)↓

 

 (チ)

半分に折れたら糸を引っ張って形を整えます。

(画像は裏面)↓

 

 (ツ)

④に糸を通したところです。

(画像は表面)↓

 

 (テ)

糸をひねって④から❺に糸を通します。

(画像は表面)↓

 

 (ト)

⑫まで通した所です。最後は⑩から⓫の穴に通っている糸の下に通します。

(画像は表面)↓

 

 

 (ナ)

余った糸は菱縫いと同じようにボンドを少量つけてハサミで切ります。↓

 

 (ニ)

飛び出た糸は爪楊枝の先などを使って中に押し込みます。↓

 

 (ヌ)

上段と下段の経糸の縅が完成です。

(画像は表面)↓

 

 

次は冠板(かんむりいた)に経糸を通します。

縅の順番

(ネ) 

寸法の確認をします。点線部(上段の一番上の穴の半分が)冠板と重なるくらいの仕上がりが目安です。↓

 

 (ノ)

❷に通ったところで寸法(糸の長さ)を調整します。↓

 

 (ハ)

先ほどと同じように、裏の糸は半分につまんで折りこんでください。最後の余った糸はボンドを付けてハサミで切ります。↓

 

 

最後に耳糸を通していきます。

 

 耳糸の縅(みみいとのおどし)

縅の順番

 (ヒ)

①の穴に糸を通して端は5cmほど残します。↓

 

 (フ)

❷の穴に糸を通したところです。形がひし形になるように整えると綺麗です。↓

 

 (ヘ)

➂の穴に糸を通したところです。糸はひねらずに耳糸の裏が見えるようにまっすぐ通します。↓

 

 (ホ)

⑥まで通したら⑦の穴に向かって糸をひねります。↓

 

 (マ)

⓫まで通したら、同じように⑫の穴に向かって糸をひねります。↓

 

 (ミ)

⓰まで糸を通したところです。↓

 

(ム) 

ハサミで余分な糸を切り落とします。↓

 

 (メ)

ボンドで冠板に貼り付けます。これで縅は完成です。↓

 

 

八双(はっそう)の化粧板の取付

 (モ)

化粧板を用意して、裏面にボンドを塗ります。↓

 

 (ヤ)

冠板の段になっている所に糸にかぶさるように貼り付けます。

しっかりと貼り付けてください。↓

 

 

裾金物(すそかなもの)の取付

(ユ)

金物は牡丹の柄です。上下がありますので、中央の牡丹の花の向きに注意してください。↓

 

 (ヨ)

下段の小札の真ん中の穴に金物の割足を差し込みます。

糸に引っかからないように注意してください。↓

 

 (ラ)

裏側で割足を割ります。↓

 

 (リ)

ニッパ―で余分な部分を切り落とします。↓

 

 (ル)

切った割足を金槌で叩いて締めます。↓

 

 (レ)

締めた割足の上にひし形の革をボンドで貼りつけます。↓

 

 

錺小鎧® の完成です。↓

 
 
2024年 11月02日